挑戦の記録【Episode 03】

限られた条件のもと、
作業工程5秒短縮への挑戦。

アルミ板移載装置
アルミ専門の材料メーカー

15秒サイクルを、10秒へ

アルミの材料メーカーさまより、古くなった移載装置を新しくしたいというお問い合わせがありました。既設の設備では移載サイクルが遅く、工程に余裕がないため、スピードアップできないかと相談されました。既設の移載サイクルは15秒程度で、新設設備は10秒が目標。基本的な仕組みは、10mmから30mmの厚さがあるアルミ板を、500mmほどに重ねてから吸盤パッドで持ち上げ、隣の台へ移載するというシンプルなもの。しかしスピードアップを図るには、供給電力に制限があるため、単純に電気の出力を上げるという選択肢はありませんでした。ここからが、杉山製作所の実現力を問われるチャレンジでした。

移載先の台に、解決の鍵があった。

供給電力はそのままという条件のもと、まずは設備自体の重量の徹底的な軽量化でスピードアップを図りました。それでも5秒の壁はクリアできませんでした。移載先の台が、重ねるごとに高さが増し、その分吸盤の移動時間も増えてしまうからです。そこで発想の転換。移載先の台の高さを積み上げたアルミ板の枚数にかかわらず一定に保てば、吸盤の移動時間も一定になると考えました。移載先のアルミ板を重ねた状態の台の高さをセンサーで検知しながら、下方向に動かすことで吸盤の移動距離を必要最小限に保ちサイクル時間を短縮することに成功。5秒短縮の壁を見事クリアできたのです。

全体のラインにおいて工程の滞りを解消。

この装置も搬送移載装置(Episode.02)と同様、できあがってみると特別に高い技術を要するものではありませんでした。解決の鍵となったのは、やはり柔軟な発想です。移載させる動力だけでスピードアップを図るのではなく、移載先の台にも協力してもらおうという発想。納品後は、全体のラインにおいて工程の滞りがなくなり、お客さまにも喜んでいただきました。
技術や知識は、時間をかければ習得できます。発想やセンスは、教えられるものではなく、常日頃からいろんなものに興味を持ち、常に挑戦する気持ちを持ち続けることで磨かれると思います。それが、杉山製作所の原動力となっています。私たちの「挑戦の記録」はまだまだ続きます。

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