挑戦の記録【Episode 01】

ドライアイスの包装という特殊な設備への
ゼロからの挑戦。

ドライアイス包装設備
液化炭酸ガス・ドライアイスメーカー

古い設備をまったく新しい設備に。

ドライアイスを製造販売しているお客さまより、「ドライアイスの包装設備ラインがだいぶ古くなったから、新しいものに更新できないだろうか」と相談されました。その設備は設置から25年ほど経っており、老朽化が進んでいました。
課題は“不揃いなサイズのドライアイスを、ライン上で4分の1の大きさにカットして包装し、約1t用保冷ボックスに収納する”こと。
当時設計担当だった川地は、「ドライアイスの包装という特殊な設備に、自社のノウハウをどう活かせるのか」と不安を感じながらも、チャンレンジスピリットが沸々と湧いてきたと語ります。お客さまから指定された納期は3年。最初の1年は、既設の製造ラインから、新たに製作する設備の計画をお客さまと共に考え、後の2年で製作することに。こうして、杉山製作所初の“ドライアイス梱包設備”の開発がスタートしました。

立ち塞がる2つの大きな壁。

ドライアイスを包装するためには、2つの大きな壁がありました。1つめは、包装するドライアイスの高さにばらつきがあること。ドライアイスを圧縮すると、どうしても高さに数cmのばらつきが出るため、高さが違っても対応できる機械を製作する必要がありました。もう1つは、超低温かつ、気化してしまうドライアイスの性質です。短時間での包装と、超低温に耐え得る材質を選択しなければなりません。
そのため、他の包装機メーカーには依頼しづらく、当社に声がかかったという経緯があります。
そんな経緯があれば、杉山製作所のものづくり精神に火が点かないわけがありません。
これらの課題を解決するためには、電動アクチュエーターや材料の選定、ソフトウェアの開発など、外注も含め総合的にプロデュースすることが肝要でした。
ドライアイスの性質上、現物で試運転をすることが困難なため、木箱に砂を入れ、実物に近いサイズと重さを再現し検証を行いました。初めは上手くいきませんでしたが、何度も失敗を繰り返しながらも決して諦めず、試行錯誤を重ねてようやく3年以内に完成。

諦めない、逃げない、必ずクリアする。

すべての課題をクリアし、ドライアイスの包装設備を納品。ご要望通りのラインの稼働に、お客さまから「やっぱり杉山製作所に頼んでよかった」と喜んでいただきました。その後、複数の同業者さまより引き合いがあったことも私たちの自信と財産になりました。難しい設備ほど、世の中にまだないものほど、できあがった時の喜びや達成感は格別です。
川地はいまも現場に立ち、若手たちに技術を伝えています。
「諦めない、逃げない、必ずクリアするという気持ちを持ってほしい」と川地は言います。「だけど、楽しくやらないとね」という一言を添えて。

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